Skyting stjerner2-10
がビクトール達との話がつくと、執務室のドアが叩かれ、アップルが入ってきた。この場にいなかったアップルの後ろにはリオウ、ジョウイと見知った顔が続いている。ナナミはピリカといるのだろう。この場にはいなかった。部屋に入るなり、残るを見てアップルは眉を潜める。ビクトール達だけではなく、解放軍時代では当初から軍師の弟子ではあったものの、年下である彼女にまで気遣われてしまっていたらしい。へらりと笑って返すと、アップルは仕方がないとばかりに小さくため息を吐いた。
「リオウ、ジョウイ、頼みがある。」
扉がしまるなり、ビクトールはとのやりとりで和らいだ表情を厳しいものに切り替え、三人に切り出した。
「こんな砦でルカの軍を相手にどこまでもつか分からんが、とにかく手をつくしてみることになった。」
続いてフリックが壁に背を預けたまま言う。
「俺はミューズに行って援軍を頼む。」
「私は罠をしかけられそうな場所を探すわ。」
扉付近に立ち、腕を組んだアップルが続く。ビクトールはリオウ達を真摯な目で見た。
「俺は、闘える人間と武器をかき集める。使えそうなものはなんでも使うつもりだ。 そこでだ、これを見てくれ。」
そう言って、ビクトールは壁に立てかけてあった一本の槍を机の上に出した。鈍色の槍は矢先が茶色に錆びつき、刃毀れもあり随分と傷んだ様子だ。こんな武器では、振るった後にはぽっきりと折れてしまいそうである。これが一体どうしたのだろう?リオウ達同様にまじまじと取り出された物を見ていただったが、そこではっとした。
傷んでぼろぼろになった槍だが、石突の先には紋章球がはめ込まれている。それは見覚えのある物だった。
「こいつは火炎槍といって、ドワーフの秘法でつくられた武器だ。この先から火をふいて、相手を焼き払うことができる。この火炎槍が砦の倉に何本かあって、こいつが使えればちょっとは戦力になるんだがどれも錆付いちまって、どうにもならない。」
解放戦争時代、一度は敗戦を期した帝国最強、当時は百戦百勝であった鉄甲騎馬隊。危機的状況を打破出来たのは、この火炎槍があったからだ。てっきり帝国崩壊後、設立されたトラン共和国に保管されているものかと思っていたが、この砦に保管されていたらしい。
もともと、この火炎槍は解放軍初代リーダー、オデッサがドワーフに頼んでいたものだ。当時副リーダーでありオデッサの恋人であったフリックが、責任を感じこの砦に所持しててもおかしくはない。
フリックは苛立しげに言う。
「ほったからしたお前が悪い。」
「うるせぇ、もう使わないと思ってたんだよ。」
罰悪く言い返したビクトールは、咳を一つすると改めてリオウ達に向き直った。「それで、こいつを直したいんだが」
「それが出来るのが、この近くじゃ神槍のツァイと呼ばれてる男しかいない。リオウ、ジョウイ。と一緒に、お前らにツァイのところまで行ってきて欲しい。どうだ、やってくれないか?」
「も・・・?」
リオウが怪訝そうに眉を潜めてこちらを見る。はうっすらと笑みを浮かべて頷いた。
「私も、出来る限りの力を貸すことになったの。」
といっても、ビクトール達に制限はされていた。なにがあっても、真の紋章を使わない事だ。ただでさえ砦の兵力は少ない。加えて大国であるハルモニアも関わってくれば、ビクトール達では対応が出来ないのだ。彼らの制限に僅かに沈む気持ちを抱きながらも、は納得した。ティル達とは違い、は一人一人が手誰である刺客に対応しきれない。情けない事で沈む気持ちを抑えられないが、それが現状だ。だからこそ解放戦争の時に使った、火炎槍が出てきても、 の力で直すことはしなかった。けれどドワーフの秘法で作られたもの、となれば、は見届けなければならない。それはは人ではあるが、ドワーフの村の一員だと思っているからだ。前もってリオウ達が来る前に話を聞いていたは、役割を任せてもらいたかったのだが、一人では駄目だとビクトール達は言う。そこでリオウ達の話が出てたのだ。は顔を歪めたが、確かに今は少しでも力が欲しい。せめてこの役割だけは彼らに手助けしてもらうと彼らの案を了承したのだ。もっとも、彼らが断れば話は別だ。
「やります。」
しかしやはり、リオウは断ることをしなかった。リオウならそう言うであろう。前を見て悩むことなく、即答したリオウに僅かに予想してはあっても、ビクトール達は目を瞬かせる。彼の目は何処までも前へと向いていた。ーーそれは、誰かを彷彿させたのだ。
一瞬、もまた彼の目に思考が奪われた。こげ茶色のリオウの目は、酷く金色の目と似ている。恐ろしいほど容姿端麗な彼と、村にいるような平凡な少年である彼とはまるで容姿は違うのに、何故か彷彿される。
「僕も。」
そこでジョウイも頷き、は思考を戻した。他の面々も慌てたように我に返る。再び戦うことになり張りつめた空気に、いつも必ず先頭に居た彼を思い出してしまったのかもしれない。リオウはあくまで捕虜で、普通の少年だ。戦を前に微塵も躊躇わない様子は、彼が戦を経験したことがないからであろう。ビクトールが堰を一つしてから、リオウ達に頭を下げる。
「そうか、ありがたい恩にきるぜ。」
フリックが机の引き出しから二つの封筒を出すと、達に見せる。
「ここに、支度金と仕事の代金を用意した。これをツァイに渡してくれ。途中で使いこむなよ。」
アップルの話によると、なんでもツァイはリューべの村の近くに住んでいるらしい。世事を嫌って、山奥に引きこもったのだという。
火炎槍は一本だけではなく複数ある。ルカ・ブライトの兵が、都市同盟を目指す際に邪魔となる砦を、いつ強襲しに来るかも定かではない。ツァイへの依頼は早い方が良いだろう。幸い、リューベはさほど離れていない。達は部屋に戻らず簡単に支度を済ませると、その日の内にリューべの村へと向かったのだった。
***
間を空けず早朝に経ったことから、昼過ぎにはリューベへとたどり着いた。
活気のあるリューべを素通りすると、近くに聳える森へとはいる。リューベの近くの森は鬱蒼と生い茂った木々で昼でも薄暗い。森林に入るなり、村の賑やかな活気は木々に遮断され辺りは静謐に包まれた。
雑草が生い茂りながらも、僅かに残る道をたどる。日差しは木々に遮られ空気は涼やかだか、休むことなく黙々と進んでいたことから、額から汗が流れた。斜面も幾つか登り、ある程度森の奥まで進んだだろう。木々に覆われていた視界が開ける。ようやく、一息つけるかもしれない。
しかし眼前に広がった光景に、は思わず頬を引きつらせた。森の奥、開けた先にはツァイの家はなく、代わりに一本の木の板の吊り橋がかけられていた。つり橋の下には崖が広がっており、覗き込んだ地面は遠い遥かだ。
「どうしたの?」
「い、いやなんでもないよ。」
足を止めたを、不思議そうにリオウが振り返り見る。 は頬を引きつらせながら必死になんでもないように装った。
ジョウイは既に橋の向こう側に渡ろうとしている所である。急がなければ、とも一歩踏み出し、揺れる足元に思わず体を戦慄かした。
勘弁してくれ、とは思わず泣きそうになった。
「?」
「いや、なんでもないから。」
一歩足を踏み入れてから進まないを訝しげに思いリオウが振り返る。 は再び慌て首を降ると、不思議に思われないよう足を進ませ、再び戦慄いた。揺れる、揺れる、揺れる!下は崖だというのに平気そうなリオウ達がは不思議で仕方がなかった。なぜそうも平気でいられる。それは単に、彼らがそういったものに慣れているという所為だったが。しかしどうもは冷や汗が流れて仕方がなかった。思わずこの先は君らだけで進んでくれ、と思ってしまう程である。
「本当に、どうしたの?」
ぎゃー!と内心は悲鳴を上げた。リオウがこちらに戻ってきたため、つり橋の揺れがのところまで来たのだ。
勘弁してくれ勘弁してくれ内心南無阿弥陀仏を唱えるかのように繰り返すであった。
「?」
そこでリオウはやっと、の異変の理由に気づくのだった。
えい、とその場でジャンプをしてみるとの反応は顕著であった。思わず口汚く罵ってしまう程である。
「ば、ばかやろうなにしてるリオウ!!」
「うあ、つり橋苦手なんだ、 。」
現代っ子なめんな!とは言ってやりたいが、彼はそれを知らない為、はなにも言えなかった。ただ馬鹿にされるがままに馬鹿にされ、リオウがつり橋を故意に揺らすたびに声にならない悲鳴をあげるしかない。
ややあって、冷静なジョウイの声が掛かる。
「遊んでないで、先を急ぐんだろ。」
呆れたように言った、ジョウイの言う通りである。
からかう事を止めたリオウにつり橋を渡るのを手伝ってもらい、なんとか越えると、震える膝を無視しては先に進む。勿論それに気づき後ろから小さく笑うリオウに苛つきながらだ。
それから程なくして、今度こそ一軒の木で出来た家が見えてきた。
「ここがツァイさんの家かな。」
ジョウイが数回家の扉を叩く。しかし、待っても反応はなかった。すると迷うことなく、ジョウイは扉に手をかけた。勝手に入るのはどうか、と思いつつも確かに先を急いでいる。躊躇いのないジョウイに達も続いた。不法侵入して、すみません。いや、でも、急を要することなんで。ホント、すみません。誰ともなくは胸中で謝罪を繰り返す。
しかし、中には誰もいなかった。物が使われた跡があることから、ここに人が住んではいるのだろう。住人がツァイ本人かは分からないままだが。森の奥まで来たはいいが、ツァイらしき人物を見つけられていない。これからどうするか、思わず頭を悩ましていると、背後から声が掛かった。
「おや?人の家に勝手に入るのは感心しないですよ。」
物腰の柔らかそうな糸目に、無精ひげを残す男性がいつの間にか達の後ろに立っていた。この家の主であろう、慌てて面々は謝る。特には元の世界では犯罪に当たり、お巡りさんにつき出されて当然の行為であるからこそ、直角よりも深く、ひたすら頭を下げまくった。どうか、お縄にはつけないで。頭を下げままのを横に、一度は謝罪をしたものの、しれっとした表情でジョウイは問いかける。
「もしかしてあなたが神槍ツァイさんですか?」
男は首を傾げた。
「神槍?いえいえ、私の名はツァイ、それだけですよ、それよりも私に御用ですか?」
首を傾げた男は、ツァイ本人であった。早速達は火炎槍を直して欲しい旨を伝えるのだった。
話終えた後、ツァイは頷く。
「火炎槍ですね。」
そこでふと、彼は目を遠くにして呟く。
「ハイランドのルカ・ブライトがトトの村を襲ったと聞きました。また・・・戦いが始まりますね・・・」
彼も、戦を経験した事があるのだろう。場の空気が重くなる中、それでもツァイは前を向くと言った。
「準備はできています。いつ呼ばれても良いように、材料も仕入れてありますからね、いきましょう。」
「これを預かってきました。ツァイさんへの支度金と仕事の代金です。」
ジョウイが出した筒みを、しかしツァイは受け取らず首を振る。
「仕事の前金は貰わないことにしているので、今は受け取れません。仕事が終わったら・・・ハイランド軍に勝てたら、それをもらうことにしましょう。」
そういった彼に達は思わず顔を綻ばせるのだった。
こうして、達はツァイを仲間にする事が出来た。自然と胸を高鳴らせ、帰りはツァイの知る、つり橋を渡らないで戻る道から達は急いで傭兵の砦へと戻ろうとした。しかしリューべの森を出ようとしたところで、再び愕然とすることになる。
リューべの村が、焼けていたのだ。
「うあああああ!!」
「そっちへ逃げた!村の外に出すなという命令だぞ!!」
「や、やめて・・・!!」
「ばかめ、逃げられんぞ!」
村からは怒声と悲鳴が、響き渡っていた。咽るような血の匂いが、森の入り口まで漂っている。
空さえも紅蓮に染まり、怒声と悲鳴が響くリューべの街。家屋は火で崩れ落ちていき、地面には弓矢がつき刺さった物言わぬ骸が倒れていた。広がる光景に、達は愕然とする。爆ぜる火花が森の入り口にいる達まで届き、顔の真横を過った。
穏やかなリューべの街は、最早面影もない。泣き叫ぶ多くの悲鳴の中、一際大きな笑い声が響く。
「はっはっはっは殺せ!焼き尽くせ!闘う牙を持たぬ虫けらどもだ!!」
「お、お願い・・・やめて・・・!」
炎の燃え上がる村で、笑い声を上げる男は異様だった。 全身を鎧に身を包んだ男だ。男は凄惨な光景にも拘わらず、一人高々と狂ったように笑い声を上げていた。その手には赤黒い血を滴らせた剣を持ち、もう片手には悲鳴を上げた女の髪を乱雑につかんでいる。
全身の肌が粟立った。
男は最早、人ではなかった。人であって、人ではない。口の端はつりあがり、目は爛爛としている。心の底からこの状況を楽しんでいるのだ。凡そ人としての感情欠いた彼は、人であるからこそ、見る者に魔物よりも恐ろしい恐怖を植え付けた。
リオウもジョウイも、 も例外なく、男に強烈な恐怖を抱き、目の前の惨状すら忘れ立ち尽くす。 一瞬の畏怖を抱いたその時、男はにんまりと口の端を上げながら、逃がれようとする村人を斬り捨てた。途端、一気に体中の血が沸騰するかのような錯覚を覚える。は歯を食いしばり、拳を握しめる。
―――どうしたって、現状は打破しえない。村には異様な男以外にも、目で捉えられるだけでも十よりも多くの兵が村に火を放ち、村人を殺めている。ただでさえ森の入り口のある村の端だからこそ、他にも多くの兵がいるだろう。計算上、たった数人で十名を越す兵に勝つのは不可能だ。そして本能的にも、あの男には勝てないと感じ取っていた。
しかしそう感じても、眉を寄せたリオウは目の前の光景に奥歯を噛み締め、溜まらず声を上げる。
「見てられない!!」
森の中から駆け出そうとしたリオウを、咄嗟にツァイが取り押さえた。押さえつけられたリオウが鋭く睨みつける。
「何するんですか!!」
しかしツァイは激昂することなく、静かに言った。
「お待ちなさい。あの男の強さはただごとではありません。剣のふるい方一つをとっても、強さが溢れんばかりです。我々だけでは、とても勝てる相手ではありません。」
ツァイの言う通りだった。男の強さは、武術を少しでも嗜めば分かるほど鮮明に分かる。動き一つ一つが鮮麗されており、無駄な動きなど一つもない。リオウとジョウイは奥歯をかみ締める。ジョウイだけが、食いしばった歯の隙間から憎悪と共に吐き捨てるように、見知った男の名を呼んだ。
「ルカ・ブライト・・・!」
男は、ルカ・ブライトであった。ハイランドの狂皇子、そして、リオウ達の少年隊を襲った男でもある。
狂皇子。まさにその名を表すような男の行動は、感情を欠いているとしか思えなかった。また一人、笑いながらルカは村人を切り捨てる。
男の前に、しゃがみ込んだ女が言った。「お、お願い・・・やめて・・・。」
足元で縋る女に、ルカは下らなさそうな目で見降ろした。
「どいつもこいつも、命こいばかりしやがる。貴様!そんなに死にたくないか?」
「は、はい・・・見逃してもらえるのでしたら、な・・・何でもいたします。」
「そうか・・・それならブタの真似をしてみろ・・・。」
「え・・・」
ルカの思っても見ない言葉に女性が唖然と呟く。そこへルカの罵声が飛んだ。
「ブタの真似をしてみろと言ったんだ!!」
「は、はい!!」
悲鳴を上げた女は恐慌状態に陥っていた。両目からぼろぼろと涙を零しながら、女は地面に這い蹲り、震える手足で四つん這いで歩き始める。膝や手のひら、顔さえ泥だらけにし、屈辱に苛まれながらも女性は言うのだ。
「ぶーぶー」
「ふ、ふあはははははふはははは!おもしろいな・・・!!」
ルカは腹を抱えて笑った。興を得た様子に、女の目が希望に輝く。「じゃ、じゃあ・・・」
「ブタは死ね!」
だがルカは、笑いながら軽い動作で女を切り捨てた。骨があるにもかかわらず、片手で振り下ろされた剣に、ごとり、と涙を零しながらも希望の表情を浮かべた女の首が転がる。胴体から血飛沫が上がり、力なく倒れると流れる血が地面を染めていく。
ジョウイが溜まらず、その場から駆け出そうとした。咄嗟にはその腕を掴んだ。
「ジョウイ!!」
「離してくれ!黙ってみているわけにはいかない!!」
「見ているだけなんて、出来ません!!」
リオウもまた強く拳を握り、ツァイの拘束を力の限り振りほどいた。同じくの手を振りほどいたジョウイがリオウに振り向く。
「よし、行こうリオウ!ピリカのような子を増やしたくはない!!」
「それはなりません。」
再び静かに、ツァイが言った。けれどジョウイはツァイを睨む。
「そんなことは言ってられない!」
「・・・仕方ないですね。」
眉を潜めたツァイの言葉は、ジョウイの耳に届ききることはなかった。風が切る音が横切る。
ツァイは手に持っていた槍の石突でジョウイの鳩尾を突き、間を置かずリオウの首筋にも入れた。二人の力が抜け、その場に倒れこむ。意識を失いつつある二人の元へと寄ると、ツァイは言った。
「ごめんなさい。君達を死なせるわけにはいかなかったから。」
村の手前、森の入り口で沈黙が落ちる傍ら、町からは変わらず怒声と悲鳴が響いてきている。繁み陰で焼き払われる村や、襲われる村人達を見ながらツァイは言った。
「・・・無理に見る必要はありません。」
「・・・・いえ。」
は僅かに目を瞑ると、首を振った。
震える手は、爪を立てて抑えこもうとする。今の傍には、ティルは居ない。今までと違い、頼る事も出来ず、一人で立たなければならない。酷く怖くて、たまらなかった。込み上げる嘔吐感を、必死に荒くなる呼吸で抑える。今すぐにでも、逃げ出したいと心が悲鳴を上げる。だが、そうする訳にはいけなかった。は彼が居なくても、闘うと決めたのだ。――例え一時でも、逃げ出さず彼らを守ると、決めたのだから。
は今まで彼らに守られていたのだと、痛いほど痛感させられた。たとえ解放軍として戦に参加していたとしても、いつでも隣にはティルがいて、支えられていたのだ。
痛感した今、以前のように言葉だけでなく、の手で守る為には目を背けてはならなかった。逃げてはならない。熱風が頬を撫で、短くなった髪を靡かせる。
は気を緩めれば震えだす歯を食いしばり、その光景を焼き付けていた。
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